INFORMATION
Kawanishi Art Project-LIVE-って?
川西駅前で面白いことをやりそう! と興味がありましたが、私に“Art”って名のつくものがわかるのだろうかとも思いました。もともと前身が「川西まちなか美術館」で7年も続いたそうです。美術館でなく街の中の空きスペースがギャラリーとなり、あちらこちらとちらばって、街の中全体が美術館になるというイベントでしたが、2019年に終了。そのあとに続いたのがKawanishi Art Project-LIVE-です。2020年度、今年の3月に開催されており、今年度はこの10月30日に“のせでんアートライン2021”に合わせての開催です。川西のまちなかでアーティストがLIVEペイントや作品制作を行い、お子さん向けの工作ワークショップなども開催し、日常生活でアートを体感・体験できるとのこと……。少し身近に感じてきました。
オープニング前の会場
10月30日土曜日、低い気温の予想に反して、照り返す太陽の下、どんどん上がる気温、川西駅前ペデストリアンデッキに着いたとたん、にぎやかなマーケットが開催されていました。毎月の「駅前ピクニックマルシェ」も同時開催とあって、とても活気があります。14店舗の様々なお店がテントを広げ、お昼過ぎには売り切れの食べ物を扱うお店も……。
真っ白なキャンバス。セレモニーの後のペイントを待っています。
オープニングセレモニーのスタート
13時からオープニングセレモニーが始まり、アクトとして、元タカラジェンヌ麻樹ゆめみさんの歌が会場にいる皆さんを魅了しました。通行客も足を止めて聞き入っています。Kawanishi Art Project-LIVE-の実行委員長、川西市中心市街地活性化協議会の会長、川西市長の挨拶、さらに麻樹ゆめみさんのペイントアーティストへの応援歌のあと10名のアーティストがそれぞれ持ち場で筆を取りました。
LIVEマーケット
LIVEペイント参加アーティストのグッズやハンドメイド商品をスタッフが販売していました。
LIVEペイント
3時間かけてのLIVEの始まり。大きなキャンバスは3時間でも足りないかもと思いました。初めの30分ぐらいはどんな作品が出来上がるかワクワク楽しみでした。大きなキャンバスに水性ペンキで色を作りながら刷毛でどんどん塗り上げていきます。通行客の皆さんは何が始まったのか興味津々。
キャンバスも180×180と前回よりかなり大きくなって、前日には心配でドキドキだったと言う“あまのいくこ”さん。普段絵本の水彩絵の具をペンキの筆に変え、「体力勝負だわ~(笑)。手がこんなん!(笑)」と手のひらを見せてくれました。
楽しそうにお子さんやお客様参加型LIVEの“森詩織”さん。いつも絵のどこかに仏様を描かれるとのこと。汚れてもいい服装で参加目的の子供たち。楽しそうです。みんなで作り上げるLIVEです! 何を描いても大丈夫、みんなで作るから楽しい。最後は生の花を仏様に持ってもらって、今だけの完成。11月23日までの展示は造花になるかも~と言われていました。
“三名あたし”さん。初めはお顔から描き始めて、どんどん仕上がっていきます。しっかりとした小さな下書きを見ながら、大きなキャンバスに描いていきます。色が優しい。お客様もじっと眺めています。仕上がりも温かい気持ちになるLIVEです。
「パワフルな絵を」とオープニングで意気込みを言われていた“オカジマヨシコ”さん。わ~~‼ 原色‼ 元気が出ますね。Artって何かはわかりませんが、見る人を元気づけてくれるような気がします。いつもマンドリルの絵を描かれているとのことですが、ここにもハッと目を引くマンドリルがいました。
先月神戸新長田、大正筋商店街でシャッターアート制作して話題の“宮本明香”さん。普段は絵本を描いているとのことですが、大きなキャンバス、「温かい絵を」の意気込みを白い象さんで表現。宮本ワールドですね。絵本の世界って気がします。優しい方で、質問にも丁寧に答えてくださいました。
今月西宮で個展開催予定の“松本真之”さん。見た目もカッコいいイラストレーターです。
どんな絵を描かれるのかなと思ったら、白いキャンバスにかわいい絵、繊細な方ですね。
“佐藤未瑛”さん、樹木を描かれていて、縦のlineがどうなるのかなと興味津々、筆のかすれた様子が素敵でした。
“Aterier Madoka”さん、大まかな下書きはしているけど、思い付きでどんどん書き込んでいますと言われています。牛乳パックも思い付きで書き込んでしまったと。限られた時間で、その時の気分でどんどん仕上げるLIVEを見せてくださいました。動きがあってこちらも楽しくなる絵です。
丁寧に青に塗られたキャンバスに大きなクジラが現れました。海の中かなと思ったら下に建物が……。空を飛ぶクジラ! 3時間で間に合わないかも~って言われていましたが、きっちりとマスキングテープで丁寧に色を区切って仕上げておられました。私も空を飛びたい(笑)
梶山美祈
川西市をイメージして描いておられる“みしまあきひろ”さん。やはり神戸出身で川西は初めてだけど、山が近く、能勢電鉄が走り、市の花のリンドウを中央の花瓶に入れて書かれています。リンドウの花言葉が「悲しんでいるあなたを愛する」なんて仏教的で素敵だったので……言われていました。川西の花の花言葉は知らなかったのでなるほどと思いながら、それでもキャンバスからはみ出して保護シートの上に花瓶の花を描かれていて、これは残らないけど、今楽しめるようにと、面白い試みです。
LIVEストリートアート
川西市内の屋内・屋外などの空いたスペースに、アーティストの作品を展示します。
展示期間:10月30日(土)~11月23日(火)
開催場所:
Ⓐパルティ川西2F 壁面(川西市栄町10-5) アーティスト:中元俊介、ハラチグサ、小倉和、松本真之
Ⓑ(川西市小戸1丁目 3-11) ※ビルの窓に展示 アーティスト:松本真之
Ⓒパークオフィスキセラ丸(川西市火打1 丁目12-16)アーティスト:高田雄平
(Facebookページより)
時間的に回れず、残念です。
もともとの考えが若手アーティストの支援、飛躍の一歩を手助けすることから始まったけど、それを市民に同じ感覚で体験してもらおうというLIVE。コロナ禍動けなかったアーティストの表現を市民が共感する素敵な場でした。
完成した作品は11月23日まで、このデッキと藤ノ木さんかく公園にて展示されます。ぜひ見に来てください。
なお、Kawanishi Art Project-LIVE-はこれだけじゃあありません。
11月23日には子供たちのワークショップ、手作り作家たちによるLIVEマーケット、川西市ゆかりの鍵井靖章さんと一緒にまちなかのアートをめぐる散歩とトークがあるとのこと……。これも面白そうですが、希望者は申し込みが必要とのことでした。LIVEストリートアートも楽しめますよ。
10月30日を皮切りに能勢電鉄沿線では次々とのせでんアートライン2021のイベントが目白押し。
初めのイベントとしてこのKawanishi Art Project-LIVE-は大成功だったと思います。
今後も継続して、川西ゆかりのアーティストが応募、発表の場になり、みんなで体感し、盛り上げるイベントになることを楽しみにしています。
取材日・2021/10/30
文/写真/取材・村井美弥子