のせでんアートライン2019 避難訓練

COLUMN

#23

インタビュー2019/11/15

【地域プロジェクト】市民団体 machiomoiインタビュー
人とモノとその想いを繋ぐ「tocotocoマルシェ」

今年3月、北摂地域のひと・もの・まちを目的とする「tocotoco(市民団体machiomoi)」が結成されました。メンバーの藤本美穂さん、九鬼麻衣さんは、それぞれに地域にまつわる多種多様な事業に関わり、情報発信や人の繋がりづくりに尽力しています。多忙なお2人がtocotocoを結成して新たな取り組みにチャレンジすることになったきっかけや、これから目指すことについてお聞きしました。

 

 

■地域イベントを中心に多彩な肩書きを持つ

 
――お2人は今回結成された「tocotoco」以外にも、かなり色々な活動をされているとお聞きしました。

藤本:そうなんです。私はサンドアートの講師や自家焙煎コーヒー店をしているのに加えて、「Happy Mammy」というママさんが対象のイベントの実行委員会の代表を務めさせていただいています。地域の子育て世代やママさんの支援を目的に全国展開している「ママハピEXPO」の関西統括マネージャーでもあります。地域活動としては、「街はカーニバル!!プロジェクト」という川西市の団体のメンバーでもありまして、こちらで主催する「かわにし音灯り」というイベントのマルシェ運営にも関わっていたりします。

九鬼:盛りだくさんですよね(笑)。私もいろいろありまして…。本業は印刷物のデザインをしていまして、その際にプレスリリースや広報のアドバイスもさせていただいています。アートラインの他の地域プロジェクトにも関わっていて、猪名川で活動している一般社団法人DOORでもデザインやマルシェ事業担当です。猪名川町商工会の女性部で副部長もさせていただいていますね。川西市中心市街地活性化協議会のタウンマネージャーとしても活動しています。タウンマネージャーとして、藤ノ木さんかく広場の管理もしています。


――本当に盛りだくさんですね!

藤本:言い忘れがないか毎回心配しています(笑)。

九鬼:猪名川町を中心に活動していたのですが、お声がけいただいて川西市にも関わっています。いろいろなお困りごとに答えたり、人と人を繋ぐことが多いですね。


――お2人はそれぞれ別のマルシェイベントに関わっておられますが、何かきっかけがあったのでしょうか。

藤本:結婚・出産後にマルシェに出店したいと思ったのですが、当時は大阪市内や神戸方面まで行かないとイベントがなくて。子供が小さいとマルシェに足を運ぶのも大変なので、近くにないなら作ろうと思って、仲間を集めて自分たちで始めました。

九鬼:私も同じくです。2年前に出産したのですが、小さな子供がいると遠方での出店はハードルが高いですね。当時は作品を作って起業しようと考えていたので、自分でやれば自分も出られるしちょうどいいやと思ったのが最初です。

藤本:でも、結局スタートすると自分が出るよりも企画・運営のほうが主担当に。

九鬼:そうそう、結局自分が出店しなくなるんですよ(笑)。でも人が集まるイベントを作ったり、そこで人と人を繋げることが苦ではないです。

藤本:そう、得意と言うよりも苦ではないという言葉がピッタリですね。だから続けられるし、他のことと掛け持ちもできるのだと思います。

九鬼:地域には実店舗を構えず、小さく活動する作家さんや起業者が多く、皆さん出店できる場所を常に探しているようです。作家同士のご紹介で出店が決まることもありますね。
 
 

【地域プロジェクト】市民団体 machiomoiインタビュー

■広域できめ細やかな情報発信を目指して「tocotoco」結成

 
――お互いに様々な活動をされていてご多忙だと思うのですが、「tocotoco」はどんな経緯で結成されたのですか。

藤本:共通の知人が主催するイベントのメンバーになった際にお会いして、情報交換をしたのが始まりだったと思います。

九鬼:川西市と猪名川町はお互い違う行政区なので広報や情報発信が別々になってしまうんですよ。だけど、そこに住む人たちは行政区をまたいで行き来する人が多いので、「豊能町や能勢町までを含むもっと広域な情報発信がしたいよね」と話し合いました。その後、川西や三田の情報誌に一緒に関わったのですが、休刊になったんです。このまま発信の場がなくなってしまうのはもったいないと思い、市民団体を立ち上げてSNSと情報誌での発信を中心に活動する「tocotoco」を始めることにしました。


――のせでんアートライン期間中に開催される「tocotocoマルシェ」は、「tocotoco」名義では初のイベントだそうですね。

藤本:そうなんです。のせでんアートラインの開催地域と私たちが情報発信したいと思っている地域が一致しているんですよ。

九鬼:アートラインの協力者を募集するという告知がありまして。私たちに何ができるかと考えた時に、2人ともマルシェをやっているので、得意分野を活かそうということになったんです。


――なるほど。マルシェに出店する作家さんはどのように決められたのですか。

藤本:今回はアートラインとの関連を重視して、地域性のあるものやアート作品を手がけている作家さんに声をかけさせていただきました。

九鬼:2人の今までの繋がりの中から、特にクオリティが高く今回の主旨に合う方を挙げていきましたね。地元の食材を使ったフードもありますし、似顔絵やアート作品の販売も予定しています。規模は大きくないですが、見応えがあると思いますよ。
 
 

【地域プロジェクト】市民団体 machiomoiインタビュー

■町を楽しむ人を増やしたい

 
――お2人から見て、このエリアの魅力だと思う点は何でしょうか。

藤本:人と人の距離が適度に近いことだと思います。

九鬼:大きすぎず小さすぎない街で、交流するのにちょうどいい距離感なんです。顔が見えるお付き合いが出来ますし、共通の知人を介して事前にお互いを知っていることも多いです。

藤本:マルシェに出店しているとお客さんから「講師をしてくれないか」とご依頼があったり、作家同士の距離も近いのでコラボ作品が生まれることも珍しくないですね。


――街の人口を考えると、作家さんの人数が多い気がします。

九鬼:確かに。何かを作っている人が多いと思います。都市部に比べると家が広くて、物作りを始めやすいのかもしれませんね。

藤本:私は子供の頃に豊能町の新興住宅地で暮らしていたのですが、母と同世代の方は専業主婦が多く、誰かの家に集まってクラフトをすることがよくありました。何かを作ることを身近に感じる環境があることも関係しているのかもしれません。


――「tocotoco」で今後どんなことを伝えたいとお考えでしょうか。

九鬼:現在は、Facebookページを立ち上げて魅力的なお店やイベントをご紹介しています。季刊で紙の情報誌を発行する予定で、年内には創刊するつもりです。

藤本:例えば子育て世代の方は子供が小さいうちは遠出ができないこともあると思いますが、地域で楽しめるところがたくさんあります。地域の中で遊んでハッピーになれるような情報をお伝えしていきたいですね。

九鬼:私たちは地域で楽しませてもらっていると感じます。この地域にはいろいろな活動をしている人がいて、それぞれ繋がりを持っています。何をするかは人それぞれですが、ここで楽しむ人を増やすお手伝いができたらと考えています。
 
 
 

【地域プロジェクト】市民団体 machiomoiインタビュー

藤本美穂(ふじもと・みほ)
大学卒業後、営業職⇒営業事務(貿易関係)を経験し出産を機に退職。出産後、長男が1歳の時に手仕事でプチ起業。現在は、地域密着から大規模まで様々なイベントの運営企画に携わりながら、サンドアートのインストラクター、焙煎士として自家焙煎珈琲の販売など多岐にわたり活動中。私生活では少年野球ママ、ダンスステージママとして子どもたちの習い事に翻弄される日々を送っている。

【地域プロジェクト】市民団体 machiomoiインタビュー

九鬼麻衣(くき・まい)
自治体勤務を経験、退職。プランナーよりも、実際にまちの中で動くプレイヤーでありたいと考え、様々なまちづくり活動に参加。現在はFuwaDesignとして印刷物制作や広報支援を通してまちの「楽しい」を作り出すことにチャレンジ中。川西市中心市街地活性化協議会タウンマネージャー、一般社団法人DOORメンバーとしても活動しています。私生活では2児の母。

◆プロジェクトページ
http://noseden-artline.com/2019/localproject/noseden-199/
◆tocotocoマルシェ
http://noseden-artline.com/2019/event/noseden-284/
 
 
 

インタビュー日・2019/10/01
インタビュアー/文・油井康子

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