のせでんアートライン2019 避難訓練

COLUMN

#29

日記2019/11/22

光風台マイホームシアターの日々(1)
文:深澤孝史

現在、豊能町光風台で展開されている、深澤孝史さんの「NEW TOWN MY HOME THEATER」。
現場では今、どのようなことが起こっているのでしょうか。
深澤さんのフェイスブックから、その様子をのぞいてみましょう。
(投稿は一部編集しています)

 

・作品・アーティスト紹介

・「NEW TOWN MY HOME THEATER」上映会(11/23)

 

 

 

 

2019年10月5日(土)

9月20日の話に遡る。。
「のせでんアートライン2019避難訓練」に《NEW TOWN MY HOME THEATER》というプロジェクトで参加している。
9月20日は第一回活動日だった。

空き家をお借りして映画館を作る。
流すのは主に光風台の住民のホームビデオである。
また同時に映画を作る。
おそらくタイトルは「信仰住宅地」。
豊能町や光風台を取り巻く様々な信仰とその痕跡を住民と辿りながら現在の信仰について振り返っていくようなものにしたい。
映画のメインは、光風台住宅地のすぐ脇にある天狗鉱山の無縁仏になるだろう。

光風台にあった祠がまさにこの9月にその場所からちょうどなくなって、管理されている方の屋敷神になった。

地域の失われていく信仰や現在の信仰と呼べるかもしれないものを、地域の方々と共有しながら考える機会ができているのがとても面白い。

映画はオープン日には全く完成しなさそうで、11月23日に上映会を開きそこを目指している。。
期間中は基本的に空き家に住みながら映画館を開きながら、映画を作っているところを展示しているだろう。

10月11日にまずは豊能町の逆修仏をメンバーと見にいく。

光風台マイホームシアターの日々(1)

2019年10月11日(金)

のせでんアートラインプロジェクト、プロジェクト参加メンバーとともに撮影ツアー第一回目でした。
役場のK課長に、豊能の石仏ツアーアテンドをお願いして周りました。課長の緩急のついた真摯な解説がしみ入りました。ありがとうございました。
ニュータウンと信仰をテーマにした本プロジェクト、ニュータウンの住民たちとともに巡り直す貴重な機会でした。
石仏何度みにいってもすごいよいです。

光風台マイホームシアターの日々(1)

2019年10月13日(日)

大阪豊能町、光風台は45年前にできたニュータウン。
高齢化も進み、空き家もちらほら。空き家を解体することもちらほら。光風台で解体された空き家の基礎コンクリートをいただき、それに石仏(コンクリート仏)を10月14日、15日の午前中に光風台マイホームシアターで彫ります。もし彫りたい方がいましたらどうぞお越しください。

注:当日は雨天のため石仏を彫るのは中止になったが、希望者がいればいつでも石仏を彫ることができる。

光風台マイホームシアターの日々(1)

2019年10月15日(火)

蛇の抜けがら探していたらタマムシにあった。
蛇のぬけがら探してます。

光風台マイホームシアターの日々(1)

2019年10月16日(水)

看板ついた。

光風台マイホームシアターの日々(1)

2019年10月18日(金)

toyono earth

光風台マイホームシアターの日々(1)

2019年10月18日(金)

こんにちは、豊能のニュータウンと信仰の関係についての映画制作を試みている深澤です。映画は一向に進んでいません。
昨日は、能勢に1000年続くお寺、高代寺ツアーに行きました。今回のプロジェクトの師匠的存在の近藤さんに案内していただきました。近藤さんは85才ですが、道なき山道をどんどん進みます。今回のリサーチで驚いた点は2つ。高代寺は5年前から、イノシシの罠に誤捕されて殺処分されるところだったツキノワグマを熊森協会の嘆願を受けて、飼っているのですが、その罠を仕掛けたのが近藤さんが立ち上げた山林の会の会員の光風台在住の方だったということ。
もうひとつが高代寺山の奥のもう道がなくなってしまった先を案内していただき、吉川村がまだ土葬だった時代の墓の山に連れてってもらったこと。五輪塔や阿弥陀仏の石仏などがゴロゴロと転がっていて、墓の墓のようでした。
聖天さまや、薬師如来像なども副住職にご案内していただきました。

光風台マイホームシアターの日々(1)

2019年10月18日(金)

こんにちわ、豊能の信仰とニュータウンの関係についての映画制作を試みている深澤です。10月26日からのせでんアートラインで「光風台マイホームシアター」をオープンします。
今日は驚きの出会いがありまして、今回の滞在で一番テンションが上がったことがありました。
マイホームシアターのお隣さんのTさんには、いろんな人を紹介していただいたり、ご飯をご馳走になったりと大変お世話になっているのですが、今日はYさんという方を紹介していただいてお邪魔してきました。
Yさんは84才でゲノムの研究の仕事をした後、アーティスト活動をしている方で、服を作ったり、化学式のようなオブジェを作ってインスタレーションをしたり、妙見山真如寺の住職の本の挿絵を描いたりもしています。その方のお話を伺いに行ったのですが、Yさんの妻が衝撃でした。Yさんの妻は、僕の母の実家、山梨県の若草町鏡中條の出身だったのです。ちなみに鏡中条は日蓮宗の鎌倉創建の甲斐源氏の祈願所、長遠寺(うちの爺さんが眠っている寺でもある)があります。Yさんの妻のお父さんは医者で、山梨の風土病の治療に従事したとのこと。山梨の風土病は今は県民もほとんど知られていないのですが、めちゃやばいやつで、江戸時代から流行っていて、お腹が妊婦みたいに膨れてそのまま死ぬという奇病で、明治になってミヤイリガイを宿主とする寄生虫が原因とわかり徐々に対策が取られていったのです。僕のおじいさんは鏡中條に住みながら地域の小学校の校長先生をしていました。首が長いのでキリン先生と呼ばれていました。
Yさんの奥さんはよく見ると僕のお母さんにどこか似ている気がしたので僕とも血が繋がっているかもなって思いました。
「誰かのふるさとに出会えるまち光風台」
すごいことです。
こんな感じでやってるので、オープンまで1週間ですが伝わりやすいものが何にもできていません

ああ、テンションが上がりすぎて大事なことを忘れていた。Yさんの妻は25年前に「妙見ハイク」を立ち上げた方でした。妙見ハイクとは250回近く開催されている妙見山までみんなで登って、山の上で毎回ゲストを呼んでイベントも行なっているハイキングで、正月には住職の話の会になったりもします。いわば、ニュータウンと妙見山をもっとも繋げているイベントといっても過言ではないでしょう。回数も半端ない。全盛期は参加者150人以上、高齢化と人口減少が続いた今も50人程度が毎回参加しています。


2019年10月19日(土)

西口さんが草鞋マスターした。
22日の鉱夫の撮影で使う予定。

※西口さんとは、のせでんアートラインのアートマネージャー西口由梨さんのこと。


2019年10月23日(水)

Kさんが、マイホームシアターで販売する石仏クッキーの試作をつくってきてくれた。豊能町の新銘菓じゃ!

光風台マイホームシアターの日々(1)

(つづく)

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