のせでんアートライン2019 避難訓練

COLUMN

#39

日記2019/12/02

光風台マイホームシアターの日々(2)
文:深澤孝史

豊能町光風台で展開されている、深澤孝史さんの「NEW TOWN MY HOME THEATER」。のせでんアートライン2019が始まり、光風台マイホームシアターには、地域の方がサポートスタッフとして関わってくださっています。(投稿は一部編集しています)

 

・作品・アーティスト紹介

 

 

 

 

2019年10月27日(日)

のせでんアートライン2019始まりました。11月24日まで。
久しぶりの会期中滞在する進行形のプロジェクトで、とても馴染む感じです。
豊能町のニュータウンの空き家を「光風台マイホームシアター」としてオープンし、劇場と映画制作室をオープンしながら、2階に住んでいます。
毎日集めたホームビデオの上映と製作中の映画の断片や資料の展示の公開をしています。
石仏クッキーもできました!お茶も飲めたりゆったりできます。
初日から近隣の住民の方々がやってきてくれました。
初めは何やってるかわからんて言って不審に思われていたw
斜め向かいのおばあちゃんも、「何もない町やと思ってたけど、ほんとは面白いとこやったんやねー、懐かしいねー」と映像を全部見切って感動してくれて、帰りしなに家から花を摘んで花瓶に入れてプレゼントしてくれましたw
地域の方は映像に知っている人を探したり、ありし日の映像に思いをはせつつ、新たなに制作した映画にも自然と関心が繋がるように初日は案内しておりました。
新作映画は、ニュータウンと地域の信仰が相互に影響受け合って変化していること。ふるさとを離れ出稼ぎにきた鉱山夫の無縁仏とふるさとと離して造成したニュータウンの現在を結びつけた作品を制作中で11月23日にお披露目です。
能勢地帯は、総合的な意味で絶対きた方がいい場所だと思いますので、これを機会にぜひ足を運んでもらいたいです。

(写真:10月27日に行われた「光風台マイホームシアターと坑道跡を巡るツアー」の様子)

光風台マイホームシアターの日々(2)

2019年11月1日(金)

妙見ハイクという、生ける伝説にみなさん参加してみませんか!!
今回で、288回!
信仰を越えて、文化的につながろうと住職とニュータウンの、住民との思いから生まれた、ハイブリッドハイキング!!

(写真:第288回妙見ハイクの案内 ※イベントは終了しました)

光風台マイホームシアターの日々(2)

2019年11月2日(土)

のせでんアートライン、作品数はそれほど多い訳ではないんてすが範囲が広いので、ある程度効率よく回ると、いい具合に時空を越えた鑑賞が可能になっております。
是非チェックしてみてください。

2019年11月9日(土)

深澤孝史です。光風台に住みながら映画監督をしています。
自宅を映画館マイホームシアターとして開いています。
映画難しいですが、面白いです。
まだ10分くらいしかできていませんがw
タイトルは「信仰住宅地」。
地域に関わる方や住民と、信仰とニュータウンについて考えを巡らせながら、制作しています。
23日ではなくても、途中映像と、住民から集めた映像が面白いので
いつでもお越しください。

光風台マイホームシアターの日々(2)

2019年11月9日(土)

7日から光風台に戻ってきて、再び滞在しながら、マイホームシアターの運営?と映画制作を進めています。一般のお客さんはぶっちゃけあまり来ていないんですが、なんか妙に忙しい感じがあります。最近は二軒隣のIさんがスタッフによく入ってくださっていて、掃除やら、座布団干しやらめちゃめちゃやってくれています。食器から着物からなんでも干します。話すと一日中ダジャレを言っています。例えば、「今日はじゅうばん(当番)やから」とか。
ぼんやりしている僕をみかねてご飯を作ってくださったりありがたしです。自分でつけたらっきょうとか、つるむらさきの炒め物とか。
ふらっと近所の方とか、Yさんとか来てくれます。
石仏クッキーも売れ行き好調でいい感じです。
ホームビデオのアーカイブも増えたりしています。

光風台マイホームシアターの日々(2)

たまにビデオテープが切れるんですが、分解して直せるようになりました。
今日の午後は、光風台に住んでいる考古学者で、町史にも関わっているMさん(84)にも来てもらって色々お話しました。
マイホームシアターが集めている郷土資料や、映像や写真のアーカイヴの重要性を感じてくださって、役場にも掛け合ってくださるとか。Mさんは現在能勢街道の長尾道の研究に勤しんでおり、そのツアーを企画できたらいいなあとお話しました。能勢街道は住吉神代紀に天皇が行幸した道との記述もあるとのことで妙見信仰以前から重要な道であり、その道跡がそのまま豊能町のニュータウンの周りにいくつか残っていたりもするのです。
またMさんとの長尾道を辿るツアーがもし決まればお伝えします。
あと、鉱夫役を演じてくださったUさんが、鉱夫の無縁仏とニュータウンの人々を結びつけたエッセイを書いてくれてそれを元に次の撮影に覗もうとしてくれています。
光風台は第一世代の方の多くが80代ですが、現役に活動されている方も多く、そうした方々の活動のアーカイヴのお手伝いもここではして次世代に託せたらいいなあと思ったりします。
のせでんアートラインはこれまでの活動もアーカイヴができていないので、ただイベントをこなすだけでなく長い時間軸でできたらいいなあと思うのですが、アートラインだけでできないことでもあるとも思うので、そういう機運を地域の方と共有できるように続けていこうと思います。

光風台マイホームシアターの日々(2)

2019年11月12日(火)

11月10日は、天狗さんことマルトゥギ藤江さんが来て、自身の天狗活動において一番最初に作った家宝の天狗面を持ってきてくださいました。壁に飾っております。
「地域住民に「天狗さん」と呼ばれているマルトゥギ藤江さんは、自身を韓国仮面劇における権力者を批判する下僕であるマルトゥギと称し、天狗や渡来人など、いわば古代の移民やマイノリティーたちのお面制作を通して、地域のボランティア活動に精力的に励んでいる。精神障害を抱える藤江さんは、豊能町を毎日のように歩き、住民との交流を続けることで、そうした彼固有の現実を具現化しつつ、徐々に世界観を共有しはじめている。ふじえさんはこの地域における信仰の一番の具現者かもしれないと思う。」(「ニュータウンと信仰」より抜粋)
天狗さん話し始めると止まりません。
十日町でお世話になった、A事務所のTさんもきてくださいました。ゆったり付き合わせてしまった。。ありがとうございます。
11日は、妙見ハイクについに参加。なんと開始直後大雨が降って中止に。でもすぐ止んで、Yさんに非公式で案内していただきました。登れてよかった。
60人近く参加して、せっかくきたということで他にも10人ほど個人的に登られていました。
初めてしっかり登りましたが、なかなか体力を使います。

光風台マイホームシアターの日々(2)

2019年11月14日(木)

《光風台マイホームシアター》
昨日は天狗さんことマルトゥギ藤江さんに来ていただいて、天狗さんの撮影をしました。
天狗さんは、26歳の時に心臓が一度止まってから、気が見えるようになったとのことで、道ゆく観光客の方の毒気を抜いたり、吉川の気を集めて丸めては飛ばす舞を踊ったりしてもらいました。
マイホームシアターに戻ると、布団と僕の洗濯物が干されていました。Iさんがやってくれたんだと思いますがびっくりしました。Iさんはとにかく毎日自分の家でも絨毯から着物から干しまくります。
夜は鉱夫の霊役のUさんと最後の撮影の打ち合わせをしました。Uさんは心構えの文章第2弾を書いてきてくださいました。
最終的に心構えは、
「人生をのせでん」
ということでまとまりました。

光風台マイホームシアターの日々(2)

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