2017年7月15日(土)、16日(日)に懐かしさの杜で行われた、「懐かしさの杜 発見!」イベント内にて、アートプロデューサー友井隆之が古民家サロンを開催いたしました。
懐かしさの杜では、能勢に実在する築数百年と言われる古民家の骨組みを見ることで、日本が世界に誇れる伝統技術の素晴らしさを再確認する場を提供されています。その建物の姿を通して、歴史と存在感に思いを馳せ、過去・現在・未来に繋がる何かを発見していくのかがこのイベントの主旨でした。 また、会場のすぐそばには樹齢千三百年の大ケヤキがあり、この能勢の魅力を伝えながら移住者誘致・地域活性化等の糸口になればと取り組みをされています。
■懐かしさの杜、発見!
http://natsumori.jp/2017event/
そして今回のせでんアートライン実行委員では、これまで個々に活動を行ってきた人たちが「古民家」をキーワードに、世代や活動の境界を越えて気軽に話をし情報交換する場ができればと考え、このワークショップを開催いたしました。個々の活動はそれぞれに独立していますが、お互いに深く関係しています。だからこそ、隣の人の活動を知ること、それが新しいスタートになると考えています。
今回、友井と一緒に登壇していただいたのは、坂井建築事務所の坂井信夫さんです。「古民家再生」の活動をしている坂井さんに、その活動とこの家についても語っていただきました。
古民家再生を手がける坂井さん曰く、「まず、この家『懐かしさの杜』の存在。この建物自体が、ここに来て築400年の歴史を持つ。移築前の時間も入れると500年程の歴史がある」とのこと。
この建物がそれだけ長く存在し、今もなお利用できるということを通して、ここから私たちが学ぶことはたくさんあるということを実感しました。
戦後に建てられた家の平均寿命は約26年ほどですが、昔の家は築500年ほどはもつそうです。それには使用する木材を乾燥させるなどに費やす時間がとても大切で、時間をかけたものがそれだけ長くもつとのこと。
そしてこの家では、さらにその先も建物としての寿命を延ばす造作を行なっています。例えば断熱材は今の方が優れており、昔の良さを絶対に活かしながら、この建て方にあった昔と今のやり方を半分半分で行うことが大切だということでした。
また、景観やこの場で暮らす人たち、そしてこれからの生活スタイルなどを考え取り入れながら、この先も見据えた建物や地域の取り組みが大切だというお話もされていました。
今回は、箕面市・川西市・能勢町と近くに住んでいる人に多く参加いただきましたが、長くその土地に住んでいる方だけでなく、新たに移住してきた方の参加が目立ったことは印象的でした。
移住されて来た陶芸作家さんは「今の生活にあったスタイルを摸索していて参加した」ということをおっしゃっており、ここからまた新しい繋がりが生まれるような、そんな期待がふくらむ会となりました。